あのころ通信(2023年秋号)

季節のおすすめコーヒーについて

タンザニア「ハイツAA」(シティロースト)

タンザニア北部のアルーシャ州カラツ県に所在するハイツ農園のブルーリボン区画で栽培・精製されたブルボン種とN39・KP423(ブルボン系統の品種)から成るAAグレードコーヒーです。当店ではハイツAAの持つ酸味とコクの両方をバランスが良くお楽しみ頂くため、シティロースト(中深煎り)で焼き上げました。オレンジのような柑橘系の香味や豊かなコクの中に微かにスパイス感も感じられる奥行きのあるクリーンな味わいに仕上がっています。是非とも、この機会にハイツ農園の作り出したコーヒーのクオリティの高さを感じて頂きたいと思います。

珈琲家コラム

お家で美味しくコーヒーを淹れる方法 <第1回>

当店でコーヒー豆をお買い上げのお客様から受ける質問として多いのは、「家でコーヒーを淹れるとお店で飲むのと随分違う。どうしたら家でお店で淹れたようなコーヒーになるのでしょうか」といったものです。確かにお家で淹れるコーヒーとお店で淹れるコーヒーには違いがあると思います。それは何故かといえば、淹れる人が違う、淹れ方が違う、使っている抽出器具が違うなどなど色々な要素が重なって違った味わいのコーヒーに仕上がるのです。ただ、ちょっとしたひと手間や工夫で今までよりも美味しく感じることができたりもします。今回は、ハンドドリップの抽出方法における「抽出時のお湯の温度」についてお話します。
ハンドドリップでコーヒーを抽出する際に「熱湯」で抽出するというのは皆様の共通の認識であるとは思いますが、一口に「熱湯」と聞くと沸騰したての100℃近いお湯を想像される方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかしながら、実際にはハンドドリップにおいて100℃近いお湯はあまり適温とは言えません。では、具体的に何℃くらいが適温なのかといいますと、90℃前後です。でも、抽出する度に温度計でいちいち図るの面倒だと思いますよね?そこで、簡単な方法をご紹介します。それは、「お湯を沸かすケトルと抽出用のケトルを分ける」という方法です。お湯を沸かすケトルで沸騰したお湯を、抽出用のケトルに移し替えるだけで10℃近くお湯の温度が下がりますので、そのまま抽出を開始すれば良いというわけです。ここでポイントとしては抽出用のケトルを予め温めないことです。他の抽出器具は予め温めておくと抽出したコーヒーが冷めにくくて良いのですが、抽出用のケトルまで予め温めてしまうと湯温があまり下がりませんのでご注意ください。そして、逆に抽出後のコーヒーを飲むときのカップは必ず予め温めてくださいね。先程お話した理論で、予め温めていない器に注ぐと温度が下がってしまいますので、抽出したコーヒーがぬるくなってしまうということなんです。では、お湯の温度を軸に一連の流れを以下にまとめてみましょう。

  1. お湯を沸かす用のケトルでお湯を沸騰させる
  2. 沸騰したお湯を使って抽出器具(ドリッパーとサーバ)とカップを温める
  3. 温めていない抽出用のケトルにお湯を移し替える(ここで適温まで下がる)
  4. ハンドドリップする
  5. 温めておいたカップに抽出したコーヒーを注ぐ

いかがでしょうか?結構簡単に出来るということがご理解頂けたのではないでしょうか。是非、お家でもお試しくださいませ。